「プールと14日間」
〜あらすじ〜
“波風を立てない”をモットーに抑揚のない人生を送っていた織部ルカは、あるホテルの一室から出られずにいた。困惑、焦燥、孤独を抱えながらホテルで過ごす14日目。部屋には死んだはずのかつての友人・森川ハルの声が響く。ハルはなぜ突然現れたのか。ルカに何を求めるのか。長く深く沈んでいた罪と真実が、浮かび上がる。
【対談】神原真理×永田レイナ
――――「プールと14日間」が生まれるまで
永田:もともと「ANTI-Rで舞台を」というアイデアはあったものの、それをどのタイミングでやるか、具体的なことは何も決まっていなくて。ただ去年神原さんと飲みに行ったときに「久しぶりにお芝居をやりたい」という話をしてくれたんだよね。
神原:めっちゃ覚えてます。
永田:それで、神原真理ファンのわたしは「え~!神原真理のお芝居観たいなぁ。そうだ、作ればいいんだ!」と思って。だからANTI-Rで舞台をやるというのは、正直〈主演・神原真理〉っていうのありきだったんだよね。
神原:ありがたいです…
永田:で、去年の秋くらいに神原さんにスケジュールを確認したんだよね。
神原:「来年の6月空いてる?」って聞かれて、「空いてます!」って答えました(笑)
永田:先すぎて申し訳なかったけど、取り急ぎスケジュールだけ確認して(笑)でも実際どう思った?ANTI-Rで舞台をっていう話をしたとき。
神原:写真展は何度か観に行かせていただいてましたけど、どういう舞台を作るのかっていうのが、最初は全然想像できなくて。映像はまだなんとなく想像はできたんですけど…どういう作風になるのか、会話劇になるのか、何も想像はつかないけどとりあえず「6月は空いてます!」って(笑)
永田:本当にスケジュール先行で申し訳なかった(笑)こういう感じのストーリーです、っていうのはいつくらいにお伝えしたっけ?
神原:年明けくらいでしたかね?レイナさんの手書きのプロットをもらって、それとともに「ほぼひとり舞台になるよ」とも伝えられて、「え!?」って(笑)
永田:そう。本来わたしは全く出たくなくて。お芝居に関しては素人だし。ただ「それだと神原さんの負担があまりにも大きいのではないか」というクレームが、ANTI-R内でありまして(笑)それで渋々わたしも出演することになった感じ。
――――それぞれの役について
永田:プロットと脚本をお渡ししたときは、率直にどう思った?
神原:「あ、神原真理、永田レイナにバレてんな」って思いました(笑)
永田:本当に!?というと?
神原:私が演じる役の、誰かに憧れるあまり妬ましく思う気持ちって、自分にもある要素だなと思って。だから「あー、バレてんだな」って(笑)
永田:最初、わたしが演じる人物と神原さんが演じる人物の配役は、逆でもいいかなとも思ったんだよね。あえてお互いのパブリックイメージと正反対の人物を演じるのも面白いかなって。ただ、神原さんはどちらでも演じられたと思うんだけど、神原さんが演じる人物は結構難しい役どころだから、わたしにそれをやり遂げるスキルはないなって(笑)
神原:じゃあ、今回と逆の配役でボイスドラマにします?(笑)
永田:アリだね!実際にお芝居をするのはキツイから、音声コンテンツだったらいいかも(笑)神原さんが演じる人物は感情移入しやすかった?
神原:そうですね。人に合わせてしまう部分とかもそうだし…ただ「それまでの人生を自分で何ひとつ決めてこなかった」という点に関しては、真逆だなとも思いました。
永田:そうなんだ!それはちょっと意外かも。
神原:結構抗ってきたタイプです!
永田:稽古が始まる前、杉浦哲平には「レイナちゃんが演じる役は当て書きだろうから、芝居する上でもそんなにギャップなくやれるでしょ」って言われたんだけど、実はこの舞台に登場する2人って、どっちがどうっていうよりも、わたしが自分自身の嫌なところや悪いところを煮詰めて、2つの魂に分けたような存在なんだよね。
神原:じゃあ、どちらも自分なんですね。
永田:そう。だからすごい嫌(笑)
神原:なんか彼女たちの学生時代のこと、考えてみたんですよ。「この正反対の2人が、普段何の話をするんだろう?」とか。でも高校生って、結構「あ、そことそこ友達なんだ」みたいなこととか、あるじゃないですか。大人になると、違いの中にも共通点はしっかりあって繋がったりするけど、学生時代ってそういったことを飛び越えて、親しくなったりする。相手が話していることに頷くだけで成立する関係性もあったりするし…。自分が友達いなかったから、それもすごい考えました(笑)
永田:確かに、彼女たちはどういう学生生活を送ってたんだろうっていうのは、わたしも考えたなぁ。
神原:レイナさんが演じる役は、他にも友達いそう。でもその人たちにどこか気を遣うところはあって、自然体でいられるのはこの2人でいるときだけなのかなって想像もしました。
永田:そうだね。学校のことだけじゃなく、家庭環境だったり、わりと荒んだ青春時代を送ってたのかなって考えると、自分で書いたくせにやっぱりしんどい(笑)
神原:彼女たちの関係は私にしては珍しく、実際の自分と誰かとの関係を、いくつも重ねてます。「このシーンはあの子との関係に似てるな」とか。ここまで具体的に誰かと重ねるって、今までしたことなかったんですけど、今回はそう思ってやってます。
永田:じゃあそれだけ現実で「相手に合わせた自分を演じる」みたいなことが、これまでに結構あったんだ。
神原:たぶんあったんでしょうね、たくさん(笑)
――――「プールと14日間」のみどころは?
永田:名古屋で神原真理さんのお芝居を観られるのは貴重なんじゃないかな?名古屋で舞台をやるのは初めてだもんね?
神原:そうですね。
永田:だから本当に楽しみにしてほしいし、普段わたしと神原さんは、良き友人であり仕事仲間であるけれど、舞台上では対峙することになるので、そのヒリヒリ感も味わってもらえるといいな。
神原:あとは舞台上での“水”の存在を、観にきてくださった方がどう感じるのか、っていうところもみどころなのかなって思いますね。
永田:みんなどう思ったんだろう。〈プールと14日間〉ってタイトルとメインビジュアルを見て。
神原:まあ、間違いなく「明るいものではないな」と思ったでしょうね。
永田:確かに(笑)この2人でハートフルコメディではないもんね。
神原:やりましょうよ、ハートフルコメディ(笑)
永田:〈フルハウス〉みたいなのやるかぁ(笑)それはさておき、梅雨にぴったりのジメっとした話になっているし、美術も面白いものになると思うので、お芝居はもちろん、セットも含め会場の空気全体を楽しんでいただけるんじゃないかな。
神原:ぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです。
ANTI-Rプロデュース 舞台公演「プールと14日間」
出演:神原真理、永田レイナ 会場:G/pit (〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1丁目23−30 中京ビル) 6月17日(土)11:00~ / 15:00~ / 19:00~ ⭐︎ 6月18日(日)11:00~ ⭐︎:公演終了後15分ほどのアフタートークあり
※ 全席自由席 ※ 受付開始は開演45分前・開場は開演の30分前を予定 ※ 公演時間は60分を予定 ※ 未就学児はご観劇をお断りさせていただいています。
※会場へのご到着が上演時間を過ぎた場合、ご予約の有無に関わらずお入りいただけない場合がございます。会場へは余裕を持ってお越しください。
入場料:一般¥4,000
チケットに関する問い合わせ 14days.with.pool@gmail.com ※チケット代は当日精算となります。現金 or Paypayでのお支払いが可能です。 ※本公演につきましてのお問い合わせは、アンチアール事務局までお願いいたします。 【 写真展 】「プールと14日間」 劇場のセットをそのままに、終演後3時間限りの特別な写真展を開催します。 6月18日(日) 15:00 ~ 18:00 (最終入場:17:45) 入場費:¥500 ※ 舞台ご観劇チケットの半券をお持ちのお客様は無料でご入場いただけます。 ※ 予約不要。当日受付でお支払いください。 ※注意事項※ ※会場へのご到着が上演時間を過ぎた場合、ご予約の有無に関わらずお入りいただけない場合がございます。会場へは余裕を持ってお越しください。
※終演後、永田レイナがお客様対応をしますが、時間の都合上、握手、サイン対応、写真撮影はできません。
※永田レイナ、神原真理への差し入れにつきまして、受付にてお預かりは可能ですが、飲食物の差し入れはお断りしております。万が一お持ちになってもお受取りできませんのでご了承ください。
【 スタッフ 】
脚本:永田レイナ、杉浦哲平
演出:杉浦哲平
写真:オモタニカオリ
音楽:長谷川将志
衣裳:野村尚
照明:則武鶴代
音響:長谷川将志
小道具:園部祐美
演出助手:みきを
制作:ANTI.LAB
宣伝美術:杉浦哲平
舞台監督:柴田頼克
プロデュース:ANTI-R
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